中小企業のソフトウェアライセンス棚卸し、何から始めればいい?
「ライセンス棚卸しをやった方がいい」とは分かっていても、実際に何から手をつければいいか分からず後回しになっている会社は多いのではないでしょうか。特に情シス専任者がいない中小企業では、棚卸しのやり方自体が社内に知見として残っていないケースがほとんどです。
この記事では、棚卸しを初めて行う会社が迷わず進められるよう、具体的な手順を順番に解説します。
1. 棚卸しの目的を「コスト」と「セキュリティ」の2軸で決める
棚卸しを始める前に、何のためにやるのかを明確にしておくと、集める情報の粒度がぶれません。目的は大きく分けて2つあります。
- コスト最適化: 使っていないライセンス、重複契約しているツールを洗い出して無駄な支出を減らす
- セキュリティ・ガバナンス: 誰がどのアカウントにアクセスできる状態かを把握し、退職者や異動者のアクセス権が残っていないか確認する
どちらを優先するかで、最初に集めるべき情報の優先順位が変わります。両方大事ではありますが、初回はどちらか一方に絞って進める方が挫折しにくいです。
2. 情報を集める窓口を一本化する
次にやるべきは、契約情報がどこに散らばっているかを把握することです。よくあるパターンとして、以下のような場所に情報が分散しています。
- 各部門の担当者が個別に契約したSaaSの請求メール
- 経理部門が持っているクレジットカード明細
- IT担当者(または兼任者)のメモやスプレッドシート
- 各SaaSの管理画面に登録されているユーザー一覧
これらを一箇所に集約するために、まずは全部門に「契約しているSaaS・ソフトウェアを申告してもらう」アンケートを取るのが現実的な第一歩です。完璧な棚卸しをいきなり目指すのではなく、まず「知らなかった契約」を発見することを目標にしましょう。
3. 最低限記録すべき項目を決めておく
棚卸しの表(スプレッドシートでも構いません)には、最低限以下の項目を入れておくと後々の運用が楽になります。
- ツール名・提供会社
- 契約プラン・ライセンス数
- 月額または年額のコスト
- 契約更新日・自動更新の有無
- 契約担当者・支払い方法(誰のカードで払っているか)
- 実際に利用しているユーザーの一覧
特に「契約担当者」と「支払い方法」は見落とされがちですが、退職や異動があった際にここが空白だと、誰も契約状況を把握できなくなるリスクがあります。
4. 棚卸しは「一度やって終わり」にしない
一番よくある失敗は、棚卸しを一度やって満足してしまい、半年後にはまた実態と乖離してしまうことです。棚卸しは一回のイベントではなく、継続的な運用に組み込む必要があります。
- 四半期に一度、契約一覧を見直す日を決めておく
- 新しいSaaSを契約する際のルール(誰の承認が必要か)を決めておく
- 退職・異動のタイミングでライセンス確認を行うフローを人事プロセスに組み込む
継続の仕組みがないと、スプレッドシートでの管理は特に更新が滞りやすく、気づけば「棚卸しをしたはずなのに実態と違う」状態に戻ってしまいます。LicenseDogのようなツールを使えば、契約情報の一元管理や更新期限のリマインドを自動化でき、情シス専任者がいない会社でも棚卸しの状態を無理なく維持できます。
まずは自社の契約状況を洗い出すところから、始めてみてください。
